入間川サイクリングロード・豊水橋〜スズメのお宿

やる気ゼロ

出発しようと扉を開けた瞬間に、恐る恐る木々を眺める。ゆ、揺れてる……。風だ……。吹いてるよ風が。もうイヤ。あーあ、今日はやめちゃおっかなー。コタツでぬくぬくしながら仕事でもしよっかなー。よし、行くか!
と、我ながら支離滅裂だが、どうにかこうにか体をTREK2.1に縛り付けて出発。
足が重いのか風が強いのかよく分からないが、とにかく進まない。気持ちもまるっきり乗らないし、全然面白くない。まぁ、たまにはのんびり行けば何か発見があるかもしんねーよな。と、ボウボウと風を受けながら淡々とペダルを回す。

向かい風に心は荒む

8分ほどで入間川サイクリングロードに到着。豊水橋からコースインするのだが、これがまたマジで気分が乗らない。帰っちまおうかと思うが、それもシャクだ。行きたくもないし帰りたくもない。要するにこのままここで野垂れ死んでしまいたい。
とかブータレてても話は始まらないので、とりあえず進む。が、風がすっげー冷たいし、ペースも上げられないから、全然体があったまらない。平均時速はいつもより2、3km/h遅い感覚で、「げっ、まだココかよ」「全然進んでねーじゃん」「重いんだよペダルがよ!」「風やんでくれよ風!」と、だんだん気持ちがサツバツとしてくる。

風のおせっかい

でもまあ、このクソしんどい思いも、いつか何かの役に立つさ。風さんはオレに刺激と負荷を与えてくださってると思えばいい。
「いつも同じルートをご苦労さん。飽きちゃわないように、ちゃんと足が鍛えられるように、ホラ行きますよピーーーープーーーー」
余計なことを!

鼻水止まらず

とか文句ばっか言いながらチンタラ回していても、しっかりと距離を稼いでしまうのがロードバイクの素晴らしいところである。オレが素晴らしいんじゃない。こんだけネガティブなオレでさえ前に進めてくれる乗り物。それがロードバイクのスゴさなのだ。
その証拠に、ちゃんとスズメのお宿まで連れて行ってくれた。しかも今日はママチャリのオヤジもおらず、本館をひとりじめできた。

しかしシンプルな和テイストを重視したスズメのお宿は、↑こんな様子で壁すらない。風通りは最高だが、めちゃくちゃ寒い。ただそこにいるだけで我が鼻孔より鼻水ダーダーと流れ出ずる。
こんなに寒いと、休んでるうちに疲労凍死するかもしれない。走ってた方がマシだ。素早く出発する。

追い風に心晴れやか

復路は追い風基調で、颯爽である。気分はランス・アームストロングである。ランス・腕強である。例によって風向きは常に一定ではないから、必ずしも追い風ではないのだが、全然ラクだ。30km/hを優に超える速度でトゥットゥルーと巡航できる。
ロードバイク最高! 風最高! 風なしの世界なんて考えられない!
行きとはまるで異なる距離感で、「おっ、もうココかよ」「こんなに進んでるんだ」「軽いなあペダルが」「風もっと吹け風!」と、だんだん気持ちが乗ってくる。

パンターニもまっつぁお

入間川サイクリングロードを終点の豊水橋でコースアウトすると、実は「まるひろ坂」という難敵が待ち構えている。彩の国ダさいたまが世界に誇る名門デパート・丸広百貨店入間店前の超ド級の激坂である。
平均斜度3.5%・距離520mを誇る「まるひろ坂」は、かのマルコ・パンターニも尻尾を巻いて逃げ出したという逸話があるとウワサされていないこともない、地獄の激坂である。
復路は必ずこいつを制覇しなければならないので、いつも本当に気が重い。しかも「まるひろ坂」の後にも、恐るべき平均斜度2%・距離360mの「入間市役所坂」が待ち構えているという2段地獄なのだ。

向かい風に鍛えられる

……何の話だっけ?
とにかくそういう坂があるもんでしんどいんだけど、今日は気持ちよく上りまくることができたっつう話だ。マジでいつもより2km/hぐらい速い。
若干の追い風もあったが、どっちかっていうと気持ちの問題だ。何しろ20kmにわたって向かい風にやられていたオレにとって、地獄坂ももはや地獄ではなくなっていたのだ。
わーっはっはっは、恐るるに足らず、地獄坂!! いつでもかかって来……るな! あっち行け! 向かい風も上り坂も大ッ嫌いだっ!

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1:43'18 43.06km 25.0km/h 44.7km/h

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